なぜデンマーク語で97は7 + [-½+5] x 20なのか?
まず、言語によってさまざまな数字な数え方があるので、この絵で示されている5つの言語の数字の数え方を見ていきましょう。
言語 | 各言語での「97」 | 実際の表し方 | |
スウェーデン語 | Nittiosju | 90 +7 | 90(nittio) 7(sju) |
ドイツ語 | Siebenundneunzig | 7 + 90 | 7(sieben) (+)und 90(neunzig) |
日本語 | 九十七 | 9 x 10 + 7 | 9(九) 10(十) 7(七) |
フランス語 | Quatre–vingt–dix–sept | 4 x 20 + 10 + 7 | 4(quatre) 20(vingt) 10(dix) 7(sept) |
デンマーク語 | Syvoghalvfemsindstyve | 7 + [-½+5] x 20 | 7(syv) +(og) ½(halv) 5(fem) x(sinds) 20(tyve) |
英語はスウェーデン語のように97を表します。上の三つは何となくわかりやすいと思いますが、フランス語やデンマーク語などになるとかなり複雑になってきますね。デンマーク語では、50から99まで、フランス語では80から99まで二十進命数法という20をベースにして数える方法をとっています。フランス語に関しては、場所によってはこのような数え方を使わずに、独自に70から90代の言葉を持っているところもあります。
フランス語
スタンダード | 実際の表し方 | 方言/古い言い方 | 実際の表し方 |
dix | 10 | dix | 10 |
vingt | 20 | vingt | 20 |
trente | 30 | trente | 30 |
quarante | 40 | quarante | 40 |
cinquante | 50 | cinquante | 50 |
soixante | 60 | soixante | 60 |
soixont-dix | 70=60+10 | septante | 70 |
quatre-vingt | 80=4×20 | hui(p)tante | 80 |
quatre-vingt-dix | 90=4×20+10 | nonante | 90 |
いくつかのフランス語の方言は10や20をベースとして考える数え方を使わずに、古フランス語からの古い言い方のほうの数字が使われることがあります。
デンマーク語
デンマーク語 | 実際の表し方 |
ti | 10 |
tyve | 20 |
tredive | 30 |
fyrre | 40 |
halvtreds(indstyve) | 50=[-½+3] x 20 |
tres(indstyve) | 60=3 x 20 |
halvfjerds(indstyve) | 70=[-½+4] x 20 |
firs(indstyve) | 80=4 x 20 |
halvfems(indstyve) | 90=[-½+5] x 20 |
上の表を見てわかるように、デンマーク語では50から99までの数字を二十進命数法を使って20をベースにして考えられています。(indstyve)は基本的に省略されますが、元の形はsindstyve (×20)という意味でsだけ残ります。
二つの表から見てもわかるように、この二つの言語の数字の数え方が複雑なのはこの二十進命数法を用いているせいです。この二十進命数法を使っている言語は今のイギリスのあたりで話されている言語やほかのヨーロッパの言語を中心にあります。英語にもscore(20)という言い方があり、歴史的にこのscoreをもとに80などを表したりするのに使われることもありました。
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